天井にゴン

  お風呂に入っていたら、急に息子が赤ちゃんのころのことを思い出した。

  何回か書いたが、息子は夜寝ない子で、絵本に関心のない子だった。

  どっかによじ登ったり、箪笥の引出しから中のものを出してその中に入ってみたり、またその上の引出しをあけて、二段目の引出しの中に入ったり、立てもしないうちから、一刻も「じっとしない子」だった。

  (実は私も子供のころそう言われていた。)

  そんなころ、息子は、抱っこしてぐるぐるまわされたり、高い高いをされるのがすごく好きだった。
  要するに、よくいえばダイナミックな、普通にいえば、乱暴な遊びが大好きだった。

  で、ある日も、「高い高い」といいながら上に向けてほおり投げては抱きとめてやっていると、腹の皮がよじれるんじゃないかと思うくらい嬉しそうにキャッキャッと笑うものだから、私は少しずつほおり投げる高さを高くしていった。

  それにつれて、息子の喜びようはさらに、
「どっか壊れたんじゃないか?」
と思うくらいになっていった。

  そしてついに、安普請のマンションの低い天井に、息子の頭がゴンという音を立ててぶつかった。

  すると、息子の顔から一瞬笑いが消え、驚いているようだったが、大した音ではなかったこともあって、息子を抱きとめた私が笑うと、息子はまた笑いだした。

  そしてまだ「高い高い」をねだるのだ。

  わが子ながら、
 「立ち直りの早い子だな。」
と私は感心していた。

  息子は、もちろん持って生まれた素質の上に、日々接している私から受けた影響は大きかったと思うが、私の振る舞いが、息子から影響を受けているということも事実である。

 息子が驚いて泣いていたら、さすがの私も、「高い高い」を続けるはずがない。

 このことはまだ息子に話してなかったように思う。

  追伸:このことがあってからだいぶ時を経て、何かの雑誌に、「高い高い」は子どもの頭に良くないと書かれていたのを見た。
[PR]
by mayumi-senba | 2010-02-24 00:54 | 息子
<< 必ず絶対 忙しい私 >>