高い高いビル

方向オンチなの
か...

それはアーモンドではない


 生まれて初めて新宿西口に行ったのは、生まれて初めて学会に参加するためだった。

 仲間が5.6人いた中に、しばらく東京で暮らしたことのあるものがいて、白い息を吐きながら高い高いビル群を見上げている私たちに、
 「恥ずかしいからヤメテクレー!!」
と言った。

 夜になって食事をするのに、今となってはどこだったかわからないが、彼は、高い高いビルの中にあるレストランに私たちを案内した。そして、
 「この夜景はすごいだろ。」
と言った。

私は阪神間で育ったため、六甲山から見下ろす、いわゆる「100万ドルの夜景」や、高い高いわけではないが、高ーいビルから夜景を見下ろすことにもなじみがあったので、彼が鼻息を荒げて吹かすほどの驚きはなかった。
 食事を終えてビルから出たあと、そこらのビル群をもう一度見上げてみた。

 息を呑む、とはああいう驚きのときに起こるんだ。

 高い!!
 人の技とはとても思えない。でも人間が造ったんだ。

 私はしばらく動けず、口もきけない状態だった。呆けているように見えたことだろう。しかし頭の中は脳みそを手でかき回されているようだった。

 しばらくしてから、思った。

人間は、あんまり頑張って頑張って努力すると、ついにアホになるんじゃないか・・・・・・・・・。
 私はさっきまで、アホの塔の中にいたんだ。

 その夜は何か恐ろしいものを見たような気がして、いつまでも寝付かれなかった。
 寝付かれないのも生まれて初めてだった。
[PR]
by mayumi-senba | 2004-05-17 19:47 | 自分のこと
<< 見つからない・・・・。 根から葉まで(ねーからはーまで... >>