・・・主義、という言葉を初めて聞いたのは、小学生のころ。
大学生になっている従姉妹のうちにお泊りに行って、日ごろ不思議に思っていることを聞いてみた。 「どうしてベトナムとアメリカは戦争してるの?」 「自由主義と共産主義の戦争。考え方が違うから戦争するねん。」 「考え方が違っても、戦争なんかすることないやん。何も殺し合うことないやん。」 「ところが、どっちも負けるわけにはいかんねん。負けるわけにはいかんから、戦争するしかないんやろう。」 このやり取りで、この件については、大学生の従姉妹では小学生の私に理解させるのは荷が勝っている、ということだけが伝わってきた。 その後も、いつも心のどこかにあった疑問だが、高校で歴史を学んでも、大学生になっても、大人になっても、子供を産んでも、それでも私には腑に落ちないことだった。 ただ、その過程で、カンボジアや中国で起きた粛清について、ニュースで見たりすることもあった。しかし、そのころの私には、通り過ぎる時に垣間見た風景のひとつのように、ほんの少しの引っかかりだけしか心に痕跡を残さなかった。 しなければいけないことも、したいこともたくさんあったからだ。 能天気に見える大人たちに囲まれ、能天気に育った私には、「・・・主義」に関心を持つ人とは違った物事の優先順位のつけ方があった。 「エースを狙え」を読むことは、優先順位がかなり高いところにあった。 社会に関心を持たない戦後最初の世代だったかも知れない。 テレビがうちにない時代を、私は知らない。
by mayumi-senba
| 2006-09-04 22:12
| 自分のこと
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