宣言するのではないけれど、私は幽霊やお化けが怖くない。
子どものころは私も人並みに怖かった。四谷怪談を見た夜は、トイレに一人でいけない、普通に怖がりな子だった。 祖母が死んで、その翌年に祖父が死んだとき、突然怖いものがなくなった。 それは幽霊やお化けがいないからではない。 いてもいなくてもいい。 もしいたとして、あのおじいちゃんやおばあちゃんが、私の顔を見たくて出てくることはあっても、脅かしに来るはずはない。おじいちゃんたちのそのまたおじいちゃんやおばあちゃんたちもまた然り。 あかの他人の幽霊が私を脅かしにきたとしても、あのおじいちゃんやおばあちゃんが黙ってみているはずがない。 「あんた、ええ加減にしいや。うちの孫を脅してどないすんねん?ええか、まあ聞きや。」 とその幽霊を諭しに来るであろう。 幽霊ではなく、妖怪であって、もちろん人間の私にはかなわない相手であっても、孫かわいさの一念が強い霊力となっているに違いない二人が、 「いらん。」 といっても私を護りに来てくれるであろう。力が足りなかったら、そのまたじいさんやばあさんが馳せ参じるであろう。 そう思うようになってから、幽霊やお化けが怖くなくなった。 存在しようとするまいと、私には問題ではないのである。 怖くないから。 松坂屋美術館 葛飾北斎 幽霊画コレクション この場合、どっちでもいいなら、「存在する」と考えたほうが私は楽しいのでそう思うことにしている。
by mayumi-senba
| 2004-06-19 16:10
| 自分のこと
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