恋風

 中学のころに、同じクラスにとてもかわいい女の子がいて、彼女は男子から圧倒的な人気があったが、当人はそのことをどう考えたらいいのかわかっていないような、ちょっと浮世離れしたところのある子だった。

 彼女は、なぜか私にくっつきまわり、トイレまでついてくるのだった。

 私はそんな彼女がとてもかわいく、いとおしく、なにかから守ってあげなければならないような気がしていた。

 そのときも今も、友人には男性が大勢いるが、今思えば彼らに対する感情よりは彼女に対する感情のほうが、はるかに「恋心」に近い。

 しかし、では、その男性の友人たちの中に「恋心」を感じたことはないかといえば、もちろんそんなことはない。ほんの一瞬だけで消えてしまったり、持続しているが非常に淡いもので、「恋心」かと問われれば、自信がなくなってしまう場合もある。もう少し濃くて、出会う時期が違っていればもっとステディな関係になっていたかもしれないと考えるときもある。

 ブレンダ・ラッセルというボーカリストが歌う「恋風」というアルバムがあって、若いころに実際の曲も知らずにレコードを買ってしまったことがある。題名に惚れたということ。

 私にとって恋心とは、風のように実体がなく、何かが動くことで感じるもので、かすかなことも激しいことも、突風のようなときも、ずっとやさしく吹き続け癒してくれることもある。
 だから、異性だけではなく、同性にも感じることがあるのだ。

 それらをいちいち浮気だなどと自覚しないし、同じような感性を持つ人が、私は好きだ。



 
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by mayumi-senba | 2007-06-08 00:13 | 自分のこと
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