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未分化なこころ

 qsso さんへのコメントが長くなるので記事にします。

 人間が官能と呼ぶものは、性的な行為に結びつかなくとも、性的営みの中で感じる官能と同じかかなり近い興奮を脳に引き起こしているのではないかと思うのです。たとえば、相手の言葉、声、相手のしぐさ。それが支配にも使われるというのならそうだと思いますよ。これはあくまでもイメージですが、人間の脳は、動物に比べると、一つの機能がより多くの場面で使われる。

 いずれにしても、独占欲、支配欲、嫉妬などについて、ヒトがそれを発揮するのは、進化論的に適切にみえる場面でばかりでなく、むしろ不適切に見える場面がたくさんある。

 より複雑な社会を構成する人間は、遺伝子で規定された蛋白の働きが、表現型となる時には、ことに心理面での発現で言えば相当に環境からの修飾を受ける。
 そして、これがまたさらに社会を複雑にする。

 細胞が未分化で、いろんな細胞に分化する可能性を秘めている段階から、より成熟し、一つあるいはいくつかの特化した機能を持つ成熟細胞になるまでの段階で言えば、「未分化な段階」に近いところにいて、未分化な機能を目的を特化せずに使用している。というイメージでしょうか。

 ネオテニーという概念に批判があるのは、この未分化、とか、幼形、などという言葉が
混乱を引き起こすのですね。
 しかし、多少違ったことを言っているように見える人たちも、頭の中のイメージはそう違っていないのではないかと思うのですよ。学者はそれをより適切な言葉にしなければなりません。それが商売だから。

 私は横目でそれを眺めてたのしんでいます。
by mayumi-senba | 2004-07-10 07:58 | 疑問のまま
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