親不孝

 父が逝った。
 
 「お前にはしんどい生き方をさせてしまって、すまないと思っている。」
と、死の宣告をされる直前の電話で私に言った。

 女としては、いつもつらい生き方を選ぶ娘だと、父には映っていたのだろうか。

 男の子がほしかった父は、私に男の子のおもちゃを与え、男の子とけんかをしては負かしてくることを喜び、男の子たちと野球をするとすぐにグローブを買ってくれた。
 
 叱られてないていると、泣くな、とまた叱られたせいか、私はめったに泣かない子になった。

 「お前にちんちんがあったらな・・・。」
と、父はよく言っていた。

 そういわれたからといって、私には男の子でないと困る事情はなかったので、特段の不満はなかった。立ったままオシッコをすることは、さほどうらやむことではなかったし。
 
 女の子なのに男の子のように遊んでいる、ただそれだけのことだった。

 年頃になったころには、それなりに恋もしたし、男だったらよかったのにと思うことはなかったように思う。

 働きながら子どもを育て、いつも忙しそうにしている私は、父には不幸せな女に見えたのだろうか。

 欠点だらけでも、私は私が大好きだし、こんな風に育ててくれたことをずっと感謝しているのに、ちっとも伝わってなかったのだろうか。
 
 それなら私は、やっぱりとんだ親不孝娘だ。

 

 
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by mayumi-senba | 2007-11-11 22:04 | 自分のこと
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