息子も犬も

 息子は0歳児の時から、保育園で育っている。

 私は今も当時のことを昨日のことのように思い出すことができる。

 毎日仕事を終えて保育園にお迎えに行き、息子を抱っこして連れて帰る時のうれしさ。

 よちよち歩きをするようになると、私の姿を見つけて、
 「ママー!」
と嬉しそうに満面の笑みで駆け寄ってくる。駆け寄ってくるのだが、あと1メートルというところで、ピタッと止まるとくるりと向きを変え、あちらに行って遊んでいる。

 名前を呼んで、
 「おうちに帰ろー。」
といったら、嬉しそうに寄って来るのだが、また向きを変えてあっちへ行ってしまう。
 
 毎日それの繰り返しで、業を煮やして追いかけ、抱き上げて連れて帰るのである。

 そのころテレビで、主婦の人たちと働きながら子育てをしている人たちがそれぞれ自分の思いをぶつけあうというような企画があって、主婦の人が、
 「保育園に子供を預けて働くなんて、子どもがかわいそうです!!。」
と殺気を感じるほどの激しさで言っていた。

 そうではない証拠が今ここにいて、部屋の隅っこで、ティッシュを1枚ずつ引っ張り出しては後ろに放り投げて笑っている。たんすの引き出しを開けてその中に入ろうとしている。

 私は、テレビの中の議論が、遠い世界のことのように感じた。
 どっちでもいいやんか・・・・。

 そして15年の年月が過ぎ、シースー犬クックル・クサイがうちにやって来た。

 噛み縄を投げてやると、喜んで走っていき持って帰ってくるので、ここでほめるとしつけができるということになっているのだが、いくら褒めてもあと1メートルのところで止まって、しばらく噛んで遊んでいる。で、忘れたころに、近寄ってきて、私の顔を見上げ、
 「また遊ぼー!!」
というような顔をする。投げてやると、また喜んで縄のほうに走っていくが同じことを繰り返すのだ。

 私が育てると、息子も犬も同じようなことをする。

 私の育て方に何か問題があるのかなあ、と思うこともあるが、息子もクックル・クサイも基本的に楽しそうにしているので、これでよいような気がしている。
 
 
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by mayumi-senba | 2009-10-07 18:36 | 息子
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