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美術と工芸

基準

確かに英語では博物館も美術館も、museum、ですが、日本語にした時に訳し分けられる必然が感じられる実態があるのではないでしょうか。それはおそらく展示の方法や、何を主眼としたコレクションであるか。そこを見分けないのはナイーブな気がします。日本人が訳し分けたのは、むしろ、ある意味正しい気がします。

 すべての美術品は、工芸品ではないでしょうか。古い物は骨董と呼ばれることもある。
 発掘によって発見された美術品が、遺物とよばれることもある。

 「美術」「工芸品」と呼び分けることに否やはありませんが、そう呼び分ける者は、そのもののもつ芸術としての力以外の、作り手に対する自分のまなざしを疑う必要があるのではないかと思うのです。
 
 それを美術品と見るかただの工芸品と見るか、見る人の恣意、というより、鑑賞する人たちとある程度その見分ける感覚が共有されているという認識が、展示する側にはあるのではないでしょうか。ならば、鑑賞する者も、同じことを疑う必要があると思います。

 ひとつのものが属性として遺物であり、工芸品であり、芸術品であり、商品でもあることに矛盾はありません。おっしゃるとおり、たまたま、のようにも思われますが、それだけではないこともあるのではないかと、私は疑うのです。
by mayumi-senba | 2004-09-01 23:59 | 世間のこと
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