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わかってないなあ

 職業柄、働きながら子育てをしている女の子達が職場に結構いる。

 大変そうだけれど、実は、結構楽な子育てをしている、ということに、当事者は気づいていないのではないかと思う。かくいう私がそうであった。

 朝早めに起きて保育園に連れて行く準備をしなければならない。短い時間に朝ごはんを食つくり食べさせ、自分も食べ、洗濯物を干し、着替えをさせて、自分の身支度をし、そして、すこし遠回りをして保育園に連れて行く。
 この怒涛の時間が過ぎれば職場に行き、しばし子どもの事をわきにおくことになる。が、心配なことなどがあると、職場の先輩ママさんに相談することができる。

 そしてお迎えの時間には、わが子が、自分以外の大人にもちゃっかり甘える能力を獲得していることや、お友達とけんかしたり遊んでいたりする姿を垣間見る。社会性を徐々に獲得する姿を見ることができるのだ。
 そして、わずかな時間であるけれど、保育園の先生から子供の様子をきき、アドバイスを受ける。

 いいたいのは、孤独な子育てではないということだ。

 子育てで大変なのは、身体のきつさではない。
 子育ては、日々の子供の成長に応じて大なり小なりの責任のある決断を迫られる。しかも毎日のように次々と。

 右も左もわからない職場で、誰のアドバイスも受けることなく、大なり小なり責任ある決断を次々と迫られた時のことを考えれば、それがどれほどプレッシャーになりストレスになるか容易に想像できるはずだ。

 子どもに今起こっていることがどういうことなのか、経験をつんだものから見たら些細なことであったりするにしても、当事者にはそのことの大小が見分けられないのだ。すべてが重大なことのように思え勝ちだ。もちろん逆に、事の重大さに気づかない場合もある。

 専業主婦の妻を持つ男達は、自分は仕事をし、その仕事のために子育てにかかわれないのに、たっぷり時間があるはずの妻がそれに不満を持つということが、どうしても理解しにくいらしい。

 職場というのは確かに大変な場所ではあるけれど、一人で仕事をこなせるようになるまでは、必ず誰かが見ていてくれる。時にうるさい存在としてかもしれないけれど。
 決断が孤独のうちになされるようになるまでには、鍛えられる猶予期間があるのだ。

 ここでいいたいのは、だから母親も働いたほうがいいというのではない。父親のこの無理解は専業主婦のお母さんのほうにより強く響く、といいたいのだ。
 男性にも当事者以外の女性にも、大きな誤解がここにある。

 女が働いていると、大なり小なり夫は子育てに協力せざるを得ない。
 (私自身は、この、協力という言葉が気に入らないが、現実にはその程度の物だ。)
 夫へのこの圧力が、専業主婦のひとの場合にはかかりにくい。それも大きなストレスになる。

 では解決法は、とはいわない。子どものいる男性やこれから父親になる可能性のある男性が読んでくれていたら、自分の妻の内面に起こっていることを理解してほしい。
 
by mayumi-senba | 2004-11-11 01:36 | 世間のこと
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