書類の行間

立場の言葉

 いつも味わい深い文章を読ませてもらっている常習女さんのところからTBです。ちょっと話がずれるけど、急に思い出したものだから。

手話通訳の方から、こんな相談を受けたことがあった。ずいぶん前の話だけど。

 聾唖の人の診察に通訳として付き合うと、時にその医師から、
 「われわれには守秘義務があるので、あなたにこの人の病状を説明できない。」
といわれることがあって困る。

 困るでしょうね。

 それって、
 
 患者さんが自分の意思で診察室まで同伴してきた通訳に対して、医師の守秘義務が及ぶかどうか。

というだけの問題だ。その医師は、尋ねられたことに対して答えることが上手だったかもしれない。だからこそ、国家試験を通過し、その診察室にいる。

 ただ、場面に応じた問いを立てることが苦手なんだろう。

 ご本人が診察を受けるために自分の障害を補うためにとった手段をみて、いったん「守秘義務」が浮かぶのはよい。しかし、守秘義務という言葉に疑いを挟んでいない。

 職業ではなく、人として生きていくための良識の問題だ。

 「自分の病状や治療法についての情報は、この通訳を通じて伝えてほしい。」
という医師宛の書状を準備し、医師の目の前で当人にサインしてもらってはどうか。

と言ってみた。この書状の行間から私たちは、
「あんたは馬鹿だから言うけど」
ということを汲み取らなければならない。

 
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by mayumi-senba | 2005-12-26 13:52 | 病気
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