20代のころから、お店の構えを見るとおいしいものを食べさせてくれるかどうかわかる気がしていた。
知らない町でなんとなく入ったお店も、「ここは」と思うとあまりはずれが無かった。 清潔感だとか控えめだとか、何か、一言でくくれるようなものではない。 それでも一言でいうと、「色気」ということになる。 吸い寄せられるような「フェロモン」を出している。もちろん匂いではない。 私は、高級素材を「ゴロン」と出すような料理を好まない。美味しいには違い無いのになぜだろうと思っていたが、「色気がない」感じなのだ。 どんなにきれいな女でも男でも、まったく無自覚な人に私は色気を感じない。 どこかで自分が性的な存在であるということを知っていて、その結果出てくる恥じらいや饒舌や、アンバランスや戦略や、戸惑いや決断、その他さまざまな表出に、私は色気を感じるらしい。 そして、どうも料理にもそれを感じないと満足を得られないらしい。 数字や音に、色を感じてしまう人がいる。たとえば、まったく同じ色で書かれたはずの数字を、はっきりと異なった色で認識してしまう。音楽を聴くと鮮明に色として認識してしまう。 「共感覚」と呼ばれる現象で、脳の中の「混線」と考えられたりしている。 性欲と食欲の中枢は近くにあって互いに強く影響しあうと言われているし、現実感覚もそうだろうが、私の味覚による快楽と性的な快楽とはそういった関係ではなく、共感覚による同じ快楽のような気がする。 食に関するものごとが性のメタファーとして使われるのは、多かれ少なかれ、多くの人にこの共感覚があることをうかがわせる。 そして私は、それがかなり強い種類の人間らしい。
by mayumi-senba
| 2006-03-25 03:54
| 美味しい!
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