子どもの頃、私には爪をかむ癖があって、爪切りを使って爪をつむということがなかった。
父にもその癖があって、たぶん無意識に真似ていたのだろう。 祖母も母も私を叱ったが、父は、私を叱るように言われると、 「爪を噛むのはやめとき。」 としかたなくいうくらいで、ちょっと困っているようだった。 父もそうだが、本とか映画とかに熱中すると、気がついた時には痛いくらい爪が短くなっていた。 中学の頃だったか、父がどこかに旅行したお土産だといって、爪の手入れをする道具がセットになったものを買ってきてくれた。ネイルサロンにあるような道具がセットになって、小さなポーチに収まっていた。ポーチの色は、少し落ち着いた感じだけど、ピンクだった。 旅行のお土産にネイルセットなんか見たことがない。 父がどこでどんな顔をして買い求めたのだろうかと思う。 それでも私は、爪をかむ癖がやまなくて、結局、そのネイルケアセットを使うことはなかった。使わないまま、今も引出しにしまいこんである。 今の私は月に一度ネイルサロンにいき、深爪にすることはないが、手入れをしてもらうたびに、そのセットのことを思い出す。 私も妹も、父に愛されたという実感をたっぷりもっている。 愛情深くて、それを伝えるのがとても上手な人だったな。
by mayumi-senba
| 2009-10-29 22:06
| 自分のこと
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