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従軍慰安婦問題について

  知人が、従軍慰安婦問題について、
 「アメリカで在米コリアンからひどい言われ方をした。しかし、僕はきっぱり反論できる。」
と言った。

 根拠は、

  「日韓併合まで、朝鮮には奴隷制度があり、売春は制度的に存在した。日本がその制度をなくしたのである。日本では、人身売買は戦国時代よりのちに、少なくとも制度上はない。」

  これが何の反論になるのか私にはわからない。

  それで思い出したが、10年以上前に、フェミニストの女性から、
 「従軍慰安婦についてどう思うか。」
と、私には唐突に思えたが、そんなことを問われたことがある。

 私は、従軍慰安婦と呼ばれる人たちが、日本人に何人、朝鮮に何人いて、どういういきさつでそのようなことになり、どういう扱いを受けたのか、戦後、どのような生活を送るはめになったか、細かく詳しいことは知らなかった。

 で、私は答えたのだ。

 「戦争になれば、いつも、どこでも、性行為を強要される女性がいて、それは、日本にだけ起こったことではない。どこの国にも、そのような歴史があり、それらはすべて、いつのどこの時代だから許されるということではない。しかし、ほかの国のことは、その国の人がまず反省をし、日本人はまず日本人が行ったことについてしっかり反省しなければならないが、それはまだ十分には行われていない。」

 あまりも雑な議論であると思われたのか、彼女は何も答えなかった。

 その後、多少は知識も増えたが、今もなお私のこの問題についての考えは上記のレベルを脱していない。
 
 「お前の息子も万引きをしたのだから、うちの子の万引きを責めるな。」
というのは、心の中で思っても、「うちの子の万引き」について話しているときに、口にしてはいけない。

 何がいけないかと言うと、ギャラリーを意識していないからだ。言い合う相手の口は塞ぐことができるかもしれないが、ギャラリーはどう思うだろうか。
by mayumi-senba | 2010-01-27 20:58 | 世間のこと
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